Amazonの真贋調査(Verification of Authenticity)は、仕入れの請求書・領収書など真正性を裏付ける書類を正しく準備し、Amazonが求める形式で提出することで、多くの場合は解除を目指せます。
真贋調査(Verification of Authenticity)とは
真贋調査とは、Amazon(アマゾン)が出品商品の真正性(正規品であること)を確認するために、仕入れ先の請求書・領収書などの書類提出を出品者に求める手続きです。調査の対象になると、該当ASINの出品が停止され、書類を提出して真正性が確認されるまで解除されません。書類が用意できない、あるいは提出した書類の信頼性が疑われた場合は、放置すると「Amazonアカウント停止の原因と復活までの全手順」で解説しているとおり、アカウント全体の停止に発展することもあります。真贋調査は、ブランドオーナーからの個別の申告がなくても、Amazonのシステムが自動的に対象を選定する場合がある点が特徴です。
真贋調査が行われる主なきっかけ
真贋調査には、主に次のようなきっかけがあります。
- ランダムピックアップ: 出品中のASINからAmazonが無作為に一部(多くの場合3ASIN程度)を選び、書類提出を求めるものです。特定の通報がなくても対象になり得ます。請求書の具体的な要件は「Amazonランダムピックアップの請求書・領収書の要件」で解説しています。
- 購入者からのクレーム: 購入者から「偽物ではないか」という申告があった場合に調査が始まるケースです。1件のクレームであっても、内容次第で該当ASIN全体の出品が停止されることがあります。
- 無在庫販売(ドロップシッピング): 仕入れ先が特定しにくい無在庫販売は、請求書の準備自体が難しく苦戦しやすい類型です。詳細は「無在庫(ドロップシッピング)販売とAmazon真贋調査」を参照してください。
- 輸出(海外Amazon)での真贋調査: 日本から海外向けに出品している場合も、出品先国のAmazonで同様の真贋調査が行われることがあります。輸出取引の場合、請求書の言語や通貨表記についても確認が必要です。
- 中古品・フリマアプリ仕入れ: 大手リユースショップ経由の中古品販売では解決した事例がある一方、個人間売買(フリマアプリ等)のみで仕入れている場合は証憑がなく、証明が難航しやすい傾向があります。
Amazonからの通知の読み方
真贋調査の通知には、対象ASIN、提出を求める書類の種類、提出期限が記載されています。通知文の指示に沿わない形式の書類(宛名が異なる、数量が一致しないなど)を提出すると、再提出を求められ対応が長期化します。まずは通知文が具体的にどの書類の、どの記載事項を求めているかを正確に読み取ることが重要です。また、通知が英語で届く場合もあるため、翻訳の際に数量・日付・宛名などの数値情報を誤読しないよう注意してください。
請求書・領収書の要件と回答の組み立て
Amazonの真贋調査で求められる請求書・領収書には、一般的に次のような記載が必要とされています。
- 出品者名(宛名)が正しく記載されていること
- 仕入れ先の名称・連絡先が確認できること
- 該当ASINに対応する商品名・数量が、出品実績と矛盾しないこと
- 発行日が販売期間と整合していること
- 仕入れ数量が、これまでの販売数量を裏付けるのに十分であること
注意: 宛名や数量が実態と合わない書類は、真正性の証明として認められないだけでなく、虚偽の証憑提出とみなされるリスクがあります。
書類が完全にそろわない場合でも、事実に基づいた説明を添えて回答を組み立てることが重要です。仕入れ先が複数にわたる場合は、ASINごとにどの仕入れ先のどの書類が対応するのかを一覧化して提出すると、審査担当者にとって分かりやすくなります。中古品やフリマアプリ仕入れなど書類の確保が難しいケースの考え方は、関連記事もあわせてご確認ください。
対応手順(正攻法)
- 通知文が求める書類の種類と記載事項を正確に把握します。
- 仕入れ先に請求書・領収書の再発行を依頼するなど、必要書類を収集します。
- 書類だけで説明が不十分な場合は、仕入れ経路や販売実態を補足する説明を添えます。
- 改善計画書の形式が必要な場合は、「Amazon改善計画書(POA)の書き方ガイド」を参考に、根本原因と是正措置を整理して提出します。
- 知的財産権侵害の指摘を伴う場合は、「Amazon商標権侵害の申し立てへの対応ガイド」もあわせて確認します。
やってはいけないこと
- 偽造・改ざんした請求書や領収書を作成して提出すること
- 実際の仕入れ先とは異なる名称の書類を用意すること
- 数量や日付を出品実績に合わせて後から書き換えること
偽造書類のリスクについては「偽造領収書をAmazonに提出することの危険性」で詳しく解説しています。偽造が発覚した場合、そのASINだけでなくアカウント全体の信頼性が失われ、回復が著しく困難になります。
期間の目安と関連する法律解説
書類が整っていれば数日程度で解除される場合もありますが、仕入れ先とのやり取りに時間を要する場合や、改善計画書の再提出が必要な場合はより長期化します。全体的な期間の考え方は「Amazonアカウント復活までの期間の目安」も参考にしてください。
並行輸入品や中古品の真正性の証明方法については「真正品であることの証明方法」、並行輸入と商標権の関係については「商標権の消尽と並行輸入」で法的な整理を解説しています。
セラーパートナーの個別サポートは2025年12月15日以降新規受付を停止しており、現在の相談窓口はB-LABコミュニティです。サポート内容は「アカウント健全性問題のサポートについて」でご案内しています。真贋調査は一度で終わらず、同じ出品者に対して繰り返し行われることもあるため、日頃から仕入れ書類を整理・保管しておく習慣が、次の調査への備えにもなります。
参考資料
運営者が実際に真贋調査へ対応した記録は、note『AMAZON真贋調査解体新書』(本編無料)で公開しています。真贋調査の3つの発生ケースや、権利者からの申し立てに対する文書の実例を確認できます。その他の資料は執筆・公開資料をご覧ください。