正攻法とは、事実に基づき、本当の原因に対して、Amazonが求める論点に沿って答えることです。裏技でも、とりあえず謝ることでもありません。セラーパートナーが正攻法にこだわる理由を、運営者の経験に基づいてご説明します。
正攻法とは何か
セラーパートナーの考える正攻法とは、事実確認、本当の原因の特定、根拠となる証拠の収集、Amazonの審査担当者に伝わる論理構成という順序を踏むことです。交渉術や裏技に頼るのではなく、起きたことをそのまま正確に伝える方法だと考えています。
対極にあるのが、偽造した領収書や虚偽の報告を使う対応です。セラーパートナーはこうした手段を一切使いません。発覚した場合はアカウント再開の可能性がほぼゼロになるうえ、留保金の返還も失敗しかねないためです。詳しくは「偽造領収書を提出してはいけない理由」で解説しています。
他の支援サービスを経て相談に来られる方が少なくありません
セラーパートナーには、他の支援サービスを利用した後に相談にいらっしゃる方が少なくありません。そうした方からお預かりした提出文書を拝見すると、多くは「違反を認める」ことを前提にしたテーマで構成されていました。
そこには、どのような経緯で停止に至ったのか、どのような仕入れ状況だったのかといった、本来ヒアリングを尽くさなければ書けないはずの具体的な事実が、ほとんど記載されていませんでした。セラーの問題は一人ひとり事情が異なり、対応方法もまったく異なります。だからこそ、事案ごとのヒアリングが対応の出発点になるとセラーパートナーは考えています。
「違反を認める」定型文が危険な理由
実際には違反していないケースであっても、定型文で違反を認めてしまうと、その内容はAmazon側の記録として残ります。真正品であるにもかかわらず真贋調査で違反を認めてしまった場合、誤った申し立てに対して違反を認めてしまった場合、関連アカウントの誤判定に対して違反を認めてしまった場合、いずれもその後の再審査や、権利者との事実に基づいた対話が極めて難しくなります。
一度「違反した」という記録が残ると、後から「実際には違反していなかった」と説明を覆すことは、認めていない場合に比べて格段に難しくなります。特に、真正品の並行輸入・転売や、事実と異なる申し立て、関連アカウントの誤判定のように、セラー側に落ち度がない事案ほど、この記録の重みは大きくなります。
なぜそうなるのか——ヒアリングの不足
「正解の文書」は、問題の種類と事情の組み合わせによってまったく異なります。たとえば、次のように問題の種類が違えば、Amazonが確認したい論点も異なります。
- 真贋調査: 仕入れの経路と、対象商品が真正品であることを示す証拠
- 知的財産権・商標権侵害の申し立て: 権利者の権利範囲と、申し立ての対象になった行為の実態
- 関連アカウントの判定: 関連性の有無そのものと、原因となった別アカウントの状況
- 出荷パフォーマンスの悪化: 遅延や不良が発生した原因と、業務プロセス上の是正内容
- 規約違反: 違反とされた行為の有無と、故意性の有無
さらに、仕入れ経路、故意性の有無、過去の提出履歴、権利者との関係といった個別の事情によっても、書くべき内容は変わります。共通のテンプレートに当てはめるだけでは、これらの組み合わせに対応できません。ヒアリングを尽くさなければ、そもそも何を書くべきかが定まらないのです。
セラーパートナーのやり方
セラーパートナーは、通知文の全文、過去の提出物、仕入れ先、販売の実態について徹底的にヒアリングすることから始めます。そのうえで問題の本質を把握し、認めるべきこと、認めるべきでないこと、立証すべきことという方向性を決め、文書の構成を指示します。
実際に文書を作成するのは依頼者ご自身です。セラーパートナーがすべてを代わりに用意するのではなく、依頼者と二人三脚で資料を組み立てるコーチング型の形式を取っています。改善計画書の構成については「改善計画書(Plan of Action)の書き方」もあわせてご覧ください。
ヒアリングを踏まえて方向性を判断し、文書の構成まで指示できる支援は、セラーパートナーをおいて他にないのではないかと私たちは考えています。
正攻法は遠回りに見えて最短です
事実確認から始める正攻法は、定型文で早く済ませる方法に比べて遠回りに見えるかもしれません。しかし、当団体が把握している事例では、アカウント復活までの期間は平均して約30日、長い場合でも最長6か月です。
Amazonへの報告、結果の受領、内容の改善という工程を、解決に至るまで繰り返すことを前提にしています。一度で通らないことを織り込んだうえで、事実に基づいた報告を積み重ねる姿勢が、結果的に最短の道につながると考えています。
権利者・メーカーにとっての意味
正攻法は、セラーだけでなく、商標権侵害等を申し立てる権利者・メーカーの皆さまにとっても意味があります。事実に基づいた対話は、真正品であることの根拠を整理して伝えることにつながり、権利者側の確認負担を減らします。真正品であることの立証方法は「真正品であることの立証方法」で解説しています。
セラーパートナーは、支援するセラーの連絡窓口として、事実関係の整理・伝達・連絡調整を行います。権利者・メーカーの皆さまへの対応方針は「権利者・メーカーの皆さまへ」をご覧ください。
これまでの具体的な考え方や対応事例は、「アカウント健全性問題のサポートについて」で詳しくご紹介しています。